遺  言  書  の  確  認


  それでは、『相続財産の処分』について、順を追って手続きのご説明を致します。

  まず初めに、『遺言書の確認』を行います。下の図をご覧ください。

 

【遺言書の有無の確認】

  遺言書の確認の第1点目は、『遺言書があるかどうか』です。

  それは、遺言書の有無により、その後の相続財産処分の仕方が変わるからです。

遺言書があれば、原則として、遺言書の記載どおりに遺産を分ければよいので、遺産分割協議をする

必要はありません。ところが、遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、どの財産を

だれが相続するのかを決定しなければなりません。このように、遺言書があるかどうかにより、その後の

手続方法が違ってくるため、真っ先に、遺言書の有無を確認する必要があるわけです。

 

【遺言書の種類の確認】

  遺言書の確認の第2点目は、『遺言書の種類は何か』です。

  遺言書が公正証書により作成されたもの(『公正証書遺言』といいます)である場合は、何の

手続をする必要もなく、遺言書に記載された通りに遺産を分ければいいのですが、遺言書が

遺言者の自筆により書かれたもの(『自筆証書遺言』といいます)である場合は、まず初めに

家庭裁判所で『遺言書の検認』という手続きをする必要があります。遺言書の検認とは、

家庭裁判所が、遺言書の存在及び内容を確認し、遺言書の現状を調査する手続きです。

相続人は、検認手続を受ける前に、勝手に遺言書を開封することを禁じられています。